こんにちは!
「普段着着物復興計画」のキャンディです。
【着物を普段着のファッションとして楽しめる世の中】を作りたくて活動しています。
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中央区まちかど展示館巡り。


三勝ゆかた博物館に行ってきました!

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地下鉄人形町駅からすぐ。
近代的なビルです。

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三勝とは?

「東の竺仙 西の三勝」と言われた浴衣の老舗。
130年前、明治7年創業。
かつて人間国宝の職人を専属で抱え、高い技術で高品質な浴衣を作り続けてきました。


「勝」れた生地に
卓越な「勝」れた意匠を
他に「勝る」技法で染め上げる、
で「三勝」とのこと。



三勝ゆかた博物館について


本社のショールームに併設。

人間国宝の作品をはじめ、
明治から昭和の反物、
閉められた工房から譲り受けた伊勢型紙(なんと2万枚!)、
染色の道具類など、
戦火を逃れた貴重な品々が展示されています。
スタッフの方が丁寧に解説してくださるので、浴衣の歴史や技術的なことが学べて、見える世界が変わります!


予約:一週間前までに予約が必要
料金:2000円(手ぬぐい付き)
営業時間:14〜16時
定休日:水日祝


※詳細はHPをご確認ください


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手ぬぐいはこちらをいただきました。
あれだけ説明してくださって、手ぬぐいまで貰えたら、実質タダ…いや、むしろ得しかない!



博物館レポ

たぶん撮影禁止だったので文字のみで失礼します。
感嘆することがたくさんあったんですが、その中でも印象的だったことをレポ。


■この辺一帯は戦火で焼け残った
だからこそ明治からの物が残っていて、
浴衣の歴史そのものを実物を見ながら解説してもらえる。

一般的な博物館ならガラスケースに入れているようなものが、ここでは触れる!!


■お中元に浴衣
昭和初期頃(メモってなかったので時期はうろ覚え)には、お中元として浴衣の反物を贈るのが流行!
某百貨店では800反売れたとか…
三勝では一日に3回も百貨店に納品に行ったそうです。


■長板中形と注染の違い


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※こちらのイラストは三勝で伺った話をもとに私が調べて補完したものを絵にしています。三勝でのやり方とは違う可能性があります。



長板中形
・型紙が小さいため時間がかかる
・職人の引退が注染より早い(布を張る板が重いので、歳を取って力が無くなると持ち上げられなくなるため)


注染
・一気にたくさん染められる
・多色使いできるのでカラフル
・一度染める毎に洗って糊を落とすので生地が歪む
→輪郭線と柄が少しズレるのはそのせい
・昔は息で吹いて下まで浸透させていたので2反くらいがやりやすかった。
4反は大変!
・現在は機械(コンプレッサー)



■人間国宝・清水幸太郎について
長板染めで、裏表ズレなく染める緻密な技術が随一で人間国宝となる。

父の代からの長板中形染工房で、三勝の専属職人。

【幸太郎の作品は「これは人の手で型付けされたものか」と誰もが目を見張るほど、精巧無比、繊細で上品な江戸好みに仕上がり、一世を風靡。(三勝公式HPより抜粋)】


しかし本人は、息子には「これからは注染だ」と言ったそう。


■長板染めの裏表
表裏ぴったり合わせて染めるのが職人の腕とされていたが、次第に、裏は違う柄を染めるのが人気になる。

これは型紙の事情が元になっている。
伊勢型紙は表裏、各10枚くらいずつ同じ柄を作るが、だんだん破けたりして、表か裏片方だけが数枚残る。

そこで裏表違う柄で作って売ったら好評だったとのこと。

職人の腕が理解されなくなようで、ちょっと悲しい例です。



■伊勢型紙
型紙に使う柿渋がとれなくなり、違う素材で作るようになった。

東京にも型紙職人はいたが、素材が変わったことで、仕事を辞める人もいた。
きっぷの良い江戸っ子はみんな同じ日に一気に工房を閉めたそう。

そんな経緯から、今は伊勢にしか残っていない。


■2万枚の型紙
三勝では、閉められた工房から相談されて型紙を引き取っていて、その数2万枚を越えるという。
型紙自体は使えなくても、昔の意匠としてデザインに活かされている。

最近では大学の教授のもと、デジタル化も進めているそう。



■「東の竺仙 西の三勝」
もともと竺仙が長板が得意で関東圏で人気だった。
三勝は関東以外で長板を販売しようとしたが、関西では色が華やかな注染の方が好まれる傾向にあり、ここに商機を見い出した。


■環境問題で変わる技術
・昔は合成糊を使えたが、環境負荷が大きいので「ふのり」を使うようになった。
合成糊の方が綺麗に染まる。

・生地を洗う時に出る排水が環境問題となり(浴衣の生産が多かった時代だからこそですね…)、
それぞれの工場(こうば)で水を綺麗にする処理をしてから排水するように定められた。
しかし、その処理の機械が高額なため、余力のない工場は潰れた。
それでも残った職人は大きな工場で働いたが、それまで違う工場にいた同士なので敵対心も強く、それぞれ無言で仕事をするようなことも多かったよう。


■若い職人
美大で染めを専攻した若い人が工場に入る例も増えている。
すぐ辞めるだろうと思われていたが頑張っていたので、上記のような寡黙な職人たちも気概を認めて教えるようになった。
しかしコロナにより多くの人が離職。



■スピーディな長板の開発
これは三勝ではなく埼玉県越谷の方、
巨大なローラーによる長板染めを開発(籠染め)。

両面一度に染められて、型をずらしていく手間もないため、スピーディで大量に出来上がる画期的な方法だった。

しかし、最低ロットが80反!
柄を変えるにはローラーを変える必要があるため大変手間がかかり、
それだけの数が売れる時代ではなくなったこと、
海外の安価な浴衣が増えたこともあり衰退。

現在はそのローラーの中にライトを入れランプのように使う「籠染灯籠(かごぞめとうろう)」として、技法が活かされている。

2015年には経済産業省の「The Wonder 500」に選出。


幻想的な灯のインテリアになっているのでぜひご覧ください⇩



感想

■博物館顔負け!
一企業がやるには濃密すぎる。
展示品もさることながら、解説がすごい。
浴衣業界でずっと生きてこられた浴衣のプロ。
ポロッと話される一言一言がとにかく面白い。
生きた情報とはこういうこと。

代替わりされたら、また伝える内容も変わっていくと思うので、気になる方は早めの訪問をオススメします。


■手間を考えたら全然安い!
海外の安い既製品と比べると、三勝の浴衣はどうしても高く感じてしまうけれど、
これだけ手間をかけていたら、納得のお値段。
むしろこれではあまり利益が出ていないのではと心配になるほど。
その良い手仕事が残っているうちに、買い支えていく必要性を改めて感じました。



■昔から受け継がれてきたものを知る意義
昔ながらの浴衣が減り、華やかな柄をプリントしミシンで縫われる海外製の浴衣が増えてきた昨今。

柄には好みがありますが、やはり着心地となると昔ながらのものには敵わないな、と実際に触ると感じます。

糸を紡ぎ生地を織る部分、
柄を染める部分、
反物から仕立てる部分、
それぞれに専門の職人が必要で、現代の安価な大量生産ではなかなか難しい。
予算や生活スタイルにも合わない人が大半でしょう。

でも、知るだけでも違う。
どう作られていて、
職人の技がどうすごいのか、
昔ながらの浴衣がどういうものなのか。

現代の既製品浴衣で不便だなと思うような部分が、昔の手縫いの浴衣では感じなかったりする。

現代の事情で作られたゆえに不便になっているものもたくさんあるのだから、
先人たちの知恵や工夫はどこかで受け継がれて未来にも失われないで欲しい。

そんなことを思いました。



まちかど展示館めぐり①
三勝の前には老舗で天ぷら食べて、新富型の足袋見てきました。


まちかど展示館めぐり③
今回行った中で一番大掛かり、歴史も長い和紙店の博物館



まちかど展示館めぐり④
牢屋敷はちょっと小さめ


まちかど展示館めぐり番外編
文明堂カフェのラテアート、まさかのアレ




浴衣はコーデで似合わせる!


最近は簡単に着られる浴衣も出てますね


最近の既製浴衣は大きめにできてるので、おはしょりが長くなりがちですよね。
私はこうやってます



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