「着物を普段着に」と言うと「そんな優雅な…」と思われることがありますが、
「普段着用の着物」というものがあることが、あまり知られていないせいだと思います。
洋服でいえば
フォーマル→スーツやドレス
カジュアル→ニットやジーンズ
と同じように、
着物でもフォーマル(礼装)とカジュアル(普段着)があります。
しかし、着物は形が同じだからわかりにくいんですよね…
初心者さん向けの見分け方を描いてみました。
※画像が見にくい場合はクリックすると綺麗に見れます&拡大できます!


カジュアルの方は「小紋(こもん)」
礼装の方は「絵羽(えば)」といいます。
着物全体が一枚の絵のように、縫い目をまたいで柄が繋がっているのが絵羽、
縫い目関係なく柄が全体に描かれているのが小紋。


- 素材も重要(ただし見分けにくい)
今回ご紹介したのは
◆柄の付き方
◆紋の有無
◆袖の長さ
ですが、
素材も大きなポイントです。
礼装→絹、ポリエステル
普段着→絹、ポリエステル、ウール、木綿、麻など
これはドレスをイメージするとわかりやすいと思います。
結婚式に行くドレスに、シルクやポリエステルはあるけど、コットンはあまり使われないですよね。
ただ、素材が見分けられるまでには、経験が必要…
長年やっていても、わからない素材に出会ったりするのが着物の世界です。(だから面白いんだけど)
ありがたいことに、普段着向きの素材(ウール、木綿、麻など)は、基本的には織りで柄を出していくタイプの作り方。
「全体が同じ柄」というのに当て嵌まります。
(そうじゃないのは「染め」。生地を織り上げた後に柄を描いていく作り方です。
画像2枚目の「もともと無地のところに絵を描きました!みたいな柄」に該当します)
なので今回は、柄の付き方に着目して解説しました。
- 振袖は、柄より袖の長さを見る
あと、最近増えているのが「全体が同じ柄」の振袖。
大正ロマンっぽい雰囲気だったりしてカワイイので人気なんでしょうね。
柄を繋げて縫わなくていいので、作るのがラク(ミシンで縫ったり、海外で縫ったりと、和裁士さんでなくても縫えるので安く作れる)という場合もあるようです。
こういったものは「全体が同じ柄だからカジュアル!」ではなくて、
「袖が長いから振袖(礼装)!」になります。
ややこしい…
最近では、浅草の観光用の着物レンタルで、こういう柄の振袖も街着として着られていたりします。
袖が長い分、華やかで優雅!
普段から着物を着ている人でも、振袖はやっぱり「可愛いから着たい!」って人はいます。
お正月とか、仲間内でおめかしして集まる会とか、そういったときに楽しむのは全然アリだと思います。
カジュアルの場合は目くじら立てて区別するより、楽しんだらいいんじゃないかな~。
(結婚式などフォーマルに着る場合はちゃんとした方がいいと思います。相手のために装うものなので。)
- 礼装はちゃんとした方がいいけど、カジュアルは自由!
今回は「礼装」と「カジュアル」を分けましたが、カジュアルに関してはルールなんてないんです。
例えば紋がある着物も、礼装でなく普段着として、オシャレに着こなしている上級者もいます。
黒紋付にピンクの髪、ハイヒールなんてカッコいいじゃないですか?
フォーマルな席では出来ないオシャレも、カジュアルファッションの楽しみ方ですよね。
とはいえ最初のうちは「わからなくて不安」とよく言われるので、そういう方が安心して着物を楽しめる材料のひとつになれば、と思って描きました。
あまり捕らわれ過ぎないで楽しんでいただけたら幸いです。
- お店の人に聞いてみよう!
不安なうちは、お店の人に相談するのもいいですね。
呉服屋さんというと怖いイメージがあるなら、古着屋さんからスタートしてみてください。
古着屋さんは、価格も手頃なのはもちろんですが、普段着として着る人を理解してくれている事が多いです。
店員さん自身も着物好きで、お仕事中も着物を着てるお店を探してみてください。
「初めてで」といえば、親身になって相談にのってくれると思います。
売りつけられそう、とか嫌な想いをしたら、そのお店や店員さんと合わなかっただけ。
勇気をもって断りましょう。
他に良いお店はいくらでもあるから大丈夫です。
洋服は接客ナシで買う方がラク、店員さんに話しかけられたくない、って人も多いと思いますが、
着物がわからないうちは、聞いたほうが失敗は少ないです。
良いお店、気が合う店員さんが見つかれば、着物ライフに慣れるのがぐっと早くなりますよ。
▼私の初・古着屋さんでの体験
▼洋服と合わせて着るのもオシャレで楽しい♪
▼こういう誤解を解きたくて…
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